春を呼ぶ「えんぶり」

青森県南地方に「えんぶり」(漢字で書くと木へんに八)の季節がやってきました。この季節になると農耕の準備に入るということで大事な行事になっています。本来であればまだ雪残る寒い時期に当たるのですが、最近は雨が降ったり雪のないえんぶりになったりしています。今日は午前中は晴天、午後からは「吹雪」の様相を呈しています。そんな中、本園と関係が深い「新組えんぶり組」が今年も来てくれました。

烏帽子をかぶった「太夫」は力強く大地を耕し、五穀豊穣を祈ります。大夫は3人一組と5人一組があり、新組は3人一組で「どうさいえんぶり」を舞います。(えんぶりには烏帽子に鬣をつけた動きの速いどうさいえんぶりと烏帽子に牡丹の花などをつけ、鬣がなく、動きが緩やかでゆっくり舞うながえんぶりがあります。)大夫が舞うのが始めと終わりでその中間は子どもたちの可愛い踊りの出番です。男の子が踊る「松の舞」、女の子が踊る「えんこえんこ」、そして大黒舞、戎舞と続きます。今年はなかったのですが「南京玉すだれ」の妙技も見ものです。特に戎舞では大きな鯛が釣れるまでの動作を八戸弁を使いながら面白おかしく表現するのでいつも人気があります。

この戎舞には小学生の卒園児が踊っていました。女の子が舞う「えんこえんこ」も今年は参加人数が多いちうことで2組に分かれ、いっままでにないくらい豪勢な踊りを披露してくれました。やはり女の子の方が華があり、活気があるように見えました。

最後にまた烏帽子をかぶった大夫が「田締め」をして一連の所作がおしまいになります。今回はふれあい広場の親子も鑑賞に訪れ、大いに盛り上がりました。総勢40人くらいのえんぶり組ですが、卒園児や保護者など含め今年は例年より少し少なめの8人が園の関係者でした。いつものメンバーは来月高校受験のためお休みしているということでした。来年は元気に参加してほしいものだと思います。大夫を舞ったお父さんも卒園児で、毎年親子で参加してくれます。

えんぶりが過ぎるといよいよ北国はちのへにも待望の春がやってきます。今年の2月は身内に不幸ごとがあったり、指導監査が入っていたりで、とても忙しく、あわただしく過ぎました。あと10日あまり、残った2月を心を込めて過ごしたいと思います。

勇壮に舞う「藤九郎」(大夫)。最後をしっかり締めて終わりになりました。保育園にも本格的な春が訪れるのももうじきです。明日は24節気「雨水」。暦の上ではすでに春です。