食育活動「命の勉強会」

私たちは、動植物の命をいただいて私たちの体を維持しています。スーパーに行くといろんな食べ物が並んでいますが、お肉や魚はほとんど「切り身」になっており、もともとの姿は想像するしかありません。「本マグロ」のお刺身もきれいに切り分けられてパックにされて並んでいます。本物一本が並んでいることはほとんどありません。そこで我が園の調理員たちから「本物の魚を見せて命の大切さを子どもたちにわかってもらいたい」とこの勉強会が企画されました。魚は3種類。ほとんどが八戸沖で獲れた「真鱈」・「サバ」・「サンマ」です。70センチの真鱈は口に釣り針が残っており、まさに生きていた証拠を見せていました。

初めに9月から仲間となった栄養士の汐谷先生から紙芝居を見ながら食べることの重要性と命の大切さ、感謝して食べることを子ども達に伝え、魚の体がどうなってできているのかの勉強会が始まりました。「三枚おろし」は今では死語になりつつありますが、我が園の職員は子どもたちの見ている前で大胆に「解剖」をして喝采を浴びていました。

一番先に腹を裂いて内臓を取り、次に頭を切り落とします。その後、中骨を中心に3枚におろします。サバをさばいていた栄養士が胃の中から「いわし」が出てきたと未消化のイワシを見せてくれました。海の中での「弱肉強食」、食物連鎖の見本でもあります。

なかなか見ることのない「魚の解剖」に子ども達はくぎ付けです。鱈のおなかから「きく」(鱈の精子)が出てくると歓声が上がりました。

15分後、無事に鱈・サバ・サンマの解体は終わり、バットにきれいに並べられた魚たちは明日の給食「おさかなハンバーグ」の材料になります。私たちは動物や魚・植物の命をいただきながら生きています。元の形が分からないほど細分化されても生き物を食べていることには変わりがありません。命に感謝し、食べ物を大切にしたいと思います。子ども達にもしっかり伝わったことと思います。調理室の先生方、ご苦労様でした。これからもおいしい給食をお願いいたします。