八戸名物「せんべい汁」作り

寒の真っ最中。一年中で一番寒い季節です。私は園長室で丸くなっていますが、子ども達は寒さに負けず元気に外で遊んでいます。気温が低いので降った雪が固まり、そり遊びにはもってこいの状態です。適度にスピードが加わりスリル満点のそり遊びになっています。こんな季節にはあったかい鍋物と熱燗が恋しくなります。八戸にはそんな季節にぴったりの汁物があります。その名も「せんべい汁」。八戸名物(一説には岩手県発祥という説もありますが断じて八戸が発祥です)のせんべいは都会で言う「草加せんべい」とは全く違う、素朴で味がない(私は十分味があると思いますが、大学時代の友人たちは味がないという)添加物もないものです。味がないということはどんなものにも対応できるという利点もあります。八戸のせんべいは大きく分けて「白せんべい」と「胡麻せんべい」に分かれます。せんべい汁に使うのは「白せんべい」です。本物はパリパリとした軽塩梅ですが、せんべい汁には「テンポ焼き」といい、少し湿気って、歯ごたえのあるせんべいが使われます。俗に「おつゆせんべい」ともいわれます。

今日は異年齢での食育活動の一環で「せんべい汁作り」が行われました。新型コロナウイルス感染防止対策をしっかり行ってから調理員の指導で楽しく行いました。材料は「せんべい」のほか「鶏肉」「人参」「しいたけ」「マイタケ」「ネギ」「高野豆腐」「しらたき」などが入ります。味付けは醤油味。具材を適当な大きさに切り、鍋に放り込みます。しらたきと高野豆腐は切りにくそうでした。高野豆腐は「凍み豆腐」と言われていたような気がします。この寒い時期に豆腐を切って稲わらに挟んで凍らせて作ったような気がします。同じころに大根をゆでて凍らかして乾燥させた「寒大根」があります。最近はめったに食べることはありませんが、冬の、寒の風物詩だったと思います。材料を切り、鍋に入れ、醤油で味付けし、最後にせんべいを割って鍋に入れて出来上がり。

せんべい汁は寒いこの時期には欠かせない食べ物ですが、汁物にせんべいを入れることで何でも「せんべい汁」になってしまいます。私はおつゆせんべいより本物の白せんべいを入れて、「半しもり」の状態で食べのが好きです。今日の給食は「十和田バラ焼き」と「せんべい汁」です。子ども達が作ったおいしいせんべい汁で寒さを吹き飛ばしたいと思います。完成したせんべい汁は、トップページ「本日の給食」でご覧ください。